Exhibitions
阿曽 藍人展 “土のなごり”
2022年10月22日(土) − 11月6日(日)
◎在廊日:10月22日(土)、23(日)、11/6(日)
13:00 - 20:00
L gallery
〒465-0024 名古屋市名東区本郷1-43 LiF F-1
一昨年、美濃加茂の地に移り住み「作品に対する集中度と、制作の楽しさが格段に上がりました」と話す。阿曽の作品は一般的な焼き物より焼成温度が低い。1000℃を超えると硬質になるが敢えてそれを選ばないのは、土と焼き物の間の生っぽさを遺すため。焼く前の土が持っている、焼かれた土が持っている両の感触。まだ息をしており湿気さえ含んでいるような「土のなごり」を。 それは野焼きの必然にもつながる。電気窯で制作していたものの、どこか違和感があった。焼き物で作品を作る意義が今ひとつ見出せなかった。しかし野焼きを体験した時、煙、匂い、音、色、温度…土が火で焼かれて変化していく状態、土が焼き物になっていくということが初めて肌で感じられた。頭では理解していたつもりの焼き物の過程が、鮮明に身体に流れ込んできたのだ。自分でものを作り出す感覚、最初から最後までフィジカルに関わるこのプリミティブな制作方法がしっくりときた。 閉じた形の中の空気を逃しながら作る、それは空間を造形するともいえるか。生まれたフォルムが次なる行為を誘発する。具体的に何かを盛らずとも受け入れる形。無機ではなく息衝きをやめない有機的な存在感を放ち。虚の手触りを頼りに、今日も阿曽藍人は土とやりとりを続ける。
阿曽 藍人 Heavy void
3月12日(土) − 3月27日(日)
◎作家在廊日:3月12日(土)
13:00 - 18:00
火曜定休
Gallery crossing
〒505-0042 岐阜県美濃加茂市太田本町1-7-3
阿曽藍人は、土器というやきものをメディアに、空間と感覚の関わりについて関心を持っている。彼は土を捏ね、中空の立体を作る過程で、その内部にある見えない空間へアプローチするように造形するという。うつわから派生したというこれらの凹凸を持ったかたちは、その造形の内側に圧縮された空間を内包している。野焼きによって焼かれた土は、土器特有の野趣を纏い、また、黒く磨かれた土塊は空間に重厚な質感を与える。見るものの内なる感情を引き摺り出すような重力を持ち、見えない空間への想像力を内包する土の造形物。つい触れたくなるような柔らさと、力強さを持つ、その魅力に触れていただきたい。
GALLERY crossing 黒元 実紗
Photograph Masashi Kuromoto